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【親鸞聖人のご生涯3】比叡山での20年にわたる修行時代【千葉憲文師】

親鸞聖人のご生涯第3話では親鸞聖人の比叡山での修行時代について触れていきます。

9歳で得度をうけ僧侶となった親鸞聖人はその後20年間比叡山での修行生活を過ごされます。

比叡山の釈迦堂

幼くして俗世間を離れ、比叡山での厳しい修行の日々をおくることになりました。

比叡山の場所

比叡山は京都市の東から滋賀県大津市の西にまたがる山です。

その山にあるお堂の総称延暦寺です。(関連:延暦寺HP

東塔・西塔・横川よかわという3つの地域からなり、総本堂とされる根本中堂(国宝)は東塔にあります。

当時は比叡山延暦寺奈良興福寺日本仏教の二大拠点でした。

比叡山での学問と修行の日々          

僧侶たちはここで厳しい修行学問の研鑽に励んでいました。

親鸞聖人もそのなかのひとりとして比叡山での修行をなされたようです。

『親鸞伝絵』によれば、親鸞聖人は中国天台宗の祖師方の奥深い教え天台宗の根本的な教え、さらには横川におられた源信僧都げんしんそうずの教えを学ばれたそうです。

また、学問だけではなく山道を歩き巡る回峰行かいほうぎょうなどもなさったことと思います。

心身ともに修行に励まれ、自らの力で煩悩を断ち切ってさとりを得ようとされた修行時代でした。

後に親鸞聖人は多くのお書物を書かれ、たくさんのお詩を詠われることになります。このような比叡山での熱心な学問が基礎となったのでしょう。

親鸞聖人は堂僧どうそうをつとめた               

親鸞聖人比叡山での様子を詳しく伝える文献は残っておりません

親鸞聖人はご自身のことをあまり書き残しておりませんし、他人に語ることも少なかったようです。

わずかに「堂僧」というお役をつとめておられたことが奥さま(恵信尼えしんにさま)のお手紙に出てくるのみです。

親鸞聖人は比叡山で堂僧というお役をつとめておられました

『恵信尼消息』より 筆者意訳

堂僧とは常行三昧堂じょうぎょうざんまいどう不断念仏ふだんねんぶつを行う僧侶とされます。

常行三昧とは、お堂の中心に安置された仏さまの周りをめぐり歩く修行です。

比叡山西塔にある常行堂
常行堂

もともとは90日間つとめるものだったようですが、3日や7日と日にちを限ってつとめるものを不断念仏といいます。

仲間とともに昼夜を問わず断えずお念仏を称えて歩く

それによって心を仏に集中し、さとりを得ようとしたのです。

おそらく横川地域にあった常行三昧堂でおつとめされたのだろうと推測されています。

20年過ごした比叡山を降りる         

厳しい修行の中で懸命にさとりを求めた親鸞聖人。

しかし、学問や修行を重ねれば重ねるほど、さとりとは無縁の自分の姿が見えてきました。

自分の力では煩悩を消し去ることができない現実です。

『歎異抄』に伝えられた親鸞聖人のお言葉の中に、

親鸞聖人

いづれの行もおよびがたき身なれば

(私はどうしても自力の行でさとりを開くことのできない身であります。筆者意訳)

と出てきます。

自分の力では修行を完成してさとれないという深い実感です。

悩まれた親鸞聖人はついに20年過ごした比叡山を降りる決意をされます。

そして、京都の市内にある六角堂ろっかくどうへと向かいます。(関連:頂法寺六角堂HP

親鸞聖人が29歳のとき、春の季節のことでした。

みんなが安心して生きる道へ         

親鸞聖人は自分の力では煩悩を消し去ることができないと苦悩されました。

そして、ついに比叡山を降りました。

これは自力の修行を完成できなかった挫折に見えるかもしれません。

しかし、親鸞聖人の仏道はそこで終わったわけではありませんでした。

自力でさとりを開けない者の歩む仏道へと目を向けられたのです。

そして、あらゆる者が安心して生きる本願念仏の道へと導かれていきました。

考えてみれば学問や修行に専念できるのは恵まれた環境です。

みんながその環境に身を置くことはできません。

私たちも何かに専念することはなかなか難しいと思います。

仕事や社会との関わり、家事や育児に追われるのが現実です。

親鸞聖人

修行や学問に専念できない者も含めて、すべての人が安心して生きる道こそが私に必要な仏道なのだ・・・!

このように受けとめられたのではないでしょうか。

挫折を通して、大きな道へと目を向けられる。

その生き方は私たちに大事なことを教えてくれています。

参考文献

コラム執筆者

千葉憲文師

香川県在住の真宗興正派僧侶。本山布教使。
ゆっくりとやわらかな口調のお話で、お念仏の教えと身近な話題とのつながりがわかりやすいと評判。

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