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介護福祉士のお坊さん奮闘記〜コロナ上陸からワクチン接種まで〜

こんにちは、曹洞宗の大鐵です。

無事に2回のワクチン接種を終えることができました。

コラムではワクチン接種の感想などもご紹介しようと思っていますが、まずは新型コロナウイルスが上陸したころの私の状況から振り返って報告したいとおもいます。

私の副業は介護福祉士

私の紹介(大鐵師プロフィール)にも書いていますが、私は僧侶のお務めのほかに介護福祉士として有料老人ホームで働いております。

お洒落にいうとダブルワークですが、そんな良いものではありません。

私のお寺はいわゆる檀家が0なので、僧侶としてのお務めがほとんどない。

ということは、他に仕事をしないと暮らしていけないのです。

修行を終えた私は何とかホームヘルパーの資格を取得しました。

そして、介護施設の面接を受け続け、やっと兼業OKのグループホームに採用されました。

この施設は私が最初に勤めたグループホームの外に6つの施設を経営しています。

2020年3月新型コロナウイルス上陸

そのグループホームで働きだした私はその後何回かの異動を重ねて、今は有料老人ホームで働いています。(令和3年7月現在)

そんな折、2020年3月頃に新型コロナウイルスが上陸して日本を震撼させました。

私の勤めている施設でも例にもれず大きな影響を受けました。

まず困ったことは以下の5つです。

  1. マスクが無くなり、注文しても発送未定。
  2. 毎日の検温。体温計がこれまた不足してしまい売り切れ状態。
  3. 手洗い・消毒の徹底。これも消毒用アルコール、液体石鹸が不足し売り切れ状態。
  4. 熱が出た利用者さんは部屋から出ずに主治医さんがPCR検査をする。幸い陰性で熱が下がるまで部屋から出れないので、職員が全身消毒して入室し、使ったものは消毒するか、破棄する。
  5. 他に、面会禁止、レクリェーションは密になるから自粛、訪問美容は延期、週に1回の移動販売は注文したものをもってくるだけの宅配、出入りの業者は全て検温してから中に入るのでよく業者から怒られました。

濃厚接触した職員は検査で陰性であっても14日間休まなくてはなりません。

ですので、自宅待機の職員が増えると他の職員の負担が大きくなり休みが無くなってしまいました。

僧侶のお勤めが少なかったので何とか予定は調整できましたが、連勤に連勤が重なりどちらが本業か分かりませんでした。

おもいやりマスク配布運動 

そのころ、私の僧侶の友人がマスクの取り合い等で皆の心に余裕が無いのを不憫に思い、檀信徒さんにマスク無料配布を始めたとSNSで知りました。

私もやりたかったのですが、当時は中々マスクが手に入りません。

やっと、手に入ったのが5月下旬ごろでした。

その店は5枚入りのマスクを98円で販売しており、毎日コツコツと買いました。

そして本尊にお供えして祈祷しました。

2020年7月頃に葬儀や法事、お寺の行事も復活し、マスクの配布を始めました。

名付けて「おもいやりマスク配布運動」。

自分が感染しないようにマスクするのはもちろん、マスクが無くて困っている人にそっと渡す思いやりの心と行動を身に着けるきっかけとなればと思って始めました。

医学のことは分かりませんが、マスクを配りながら

大鐵

感染症は誹謗中傷では防げません。

一人一人のおもいやりが大切なのです。

と説明しております。

明日は我が身

そんな布教をしても私の周りでは陽性者や濃厚接触者への誹謗中傷は止まりません。

濃厚接触者で陰性だった人に対して、陰で誹謗中傷したとある知人がいました。

私は

大鐵

陰性だし、たとえ陽性でも適切な治療を受ければ治る病気だから悪く言わないでよ

と何度か諭しました。

しかしその方は誹謗中傷をする態度をあらためることはありませんでした。

しばらくして、今度はその誹謗中傷していた知人が濃厚接触者となりました。

その方の検査結果も陰性ではありましたが、私はなんとも言えない気持ちになりました。

大鐵

誰しも感染するリスクがある中、誹謗中傷しても何にもならない。

そのことを再度伝えたいと思いましたが、そこまで人間が出来てなかったし、余裕がなかった自分ははそのまま言葉を飲みこんでしまいました。

今思うと自分は未熟だったと思いました。

何とか1年乗り越えた

日本という国は先進国だと思います。

2020年の7月頃からマスクが適正価格で売りに出され、消毒用アルコール、液体石鹸、体温計も急に販売可能となりました。

でも、感染が終息したわけで無いので私の勤めている施設では試行錯誤しながらゆっくりと仕組みを元に戻そうとしています。

面会はガラス越しならOK、訪問美容は2021年の5月にやっと行いました。

移動販売は相変わらず宅配のみ。

出入りの業者さんも職場で検温しているので、任意の検温で大丈夫になりました。

レクリェーションは密にならない、おやつ会や小人数でも出来るゲーム、小物入れ作成など、あまり職員の負担を掛けないものにしました。

そして、ワクチン接種が始まる

2021年4月、介護施設にクラスターが発生することが多いので、行政からPCR検査を受けるようにと通達がありました。

検査リキッドに唾液を適量入れて検査する簡易タイプですが、6月まで週に1回検査しておりました。

今のところ陰性です。

毎回検査の度にドキドキしておりました。

ニュースで芸能人などがPCR検査を行い、無症状なのに陽性というケースが報じられているとどうしても不安になってしまいます。

この頃から医療関係者から順番にワクチンが始まっており私は速くワクチンを接種したいと思いました。

そして2021年、5月下旬から私の勤めている施設でも利用者さんと職員が同時進行でワクチン接種が始まりました。

いわゆる職域接種ですね。

運命の6月11日、私はワクチン接種を行いました。

つづきはまた、来月の投稿でお会いしましょう。

この記事を書いた人

大鐵師

三重県在住の曹洞宗僧侶。
失敗のとらえ方についてよくお話します。
永平寺の修行時代のエピソードを中心にコラムを書いています。


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