『なるべく無駄なく使い切る』
こんにちは曹洞宗の僧侶折橋大貴です。
若輩ながら私は精進料理の先生をしております。
どのイベントでも必ずどこかでお話しさせていただくのはこの『
この言葉は精進料理における基本理念のど真ん中とも言うべき言葉です。
わかりやすく、くだけた解説をすると『正しい作法で丁寧に作りましょう』ということです。
え?
丁寧に作るって当たり前では?
と思ったそこのあなた!
一緒に学んでいきましょうー。
仏教が日本に入ってきたのはいつ?
さて、まずわが国に仏教が入ってきたのはいつでしょうか?
仏教そのものは飛鳥時代に伝わったとされております。
しかし、精進料理は禅と一緒に伝わっておりますので飛鳥時代よりもあとの鎌倉時代に入ってきたと言われています。
この時、日本はある種の産業革命が起きました!
というのも日本の食文化はそれまで薄味が多く、調理法も煮る、焼くなど簡単なものだけだったのです。
そんな中植物性の物しか使わないという概念と共にしっかりした味を付けられた精進料理は娯楽の少ない時代で瞬く間に広まりました。
お寺にとっても民衆にとっても
『あそこに行けば旨いものが食べれるし話が聞けるぞ』
と、お寺にお参りする理由になったのですね。
現代に残る精進料理
時代は進んで令和となりました。
良いこと悪いこと沢山ありましたが精進料理も仏教も形を変えながらも無事残ることができました。
特にインターネットがこの世に生まれてからはとてつもない速度で生活に変化が起きてますね。
その中で精進料理で大事なことは何か?と問われた時、
『正しい作法で丁寧に作りましょう』
ということが言われます。
この言葉をどう理解すれば良いでしょうか?
丁寧に作る、これはわかります。
では正しい作法とは?
当時から伝わる調理法をそのまま行うのが正しいという訳ではないんです。
正しい作法とはなるべく無駄なく使い切ること
ここで冒頭部分が答えになりますが『なるべく無駄なく使い切る』これに尽きると思います。
調理法は問いません。
使う食材も問いません。
自分のできる限りで良いのでなるべく無駄なく食材を使い切る。
難しいかもしれませんが、日常生活でも実践できることです。
普段の生活の中でチャレンジしてみましょう!
コラム執筆者
神奈川県在住の曹洞宗僧侶。料理人としても活躍。
一緒に作りながら、食べながらのワークショップスタイルのお話を得意とする。
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