なんてことだ・・・!
鬼滅の刃にこんな秘密が隠されていたなんて・・・!
こんにちは布教使.com管理人の三原貴嗣です。
鬼滅の刃の大ヒットはすさまじい社会現象を引き起こしましたね。
鬼滅の刃の登場人物には鬼にも人にもそれぞれの悩みや葛藤があり、ストーリーの中で何度も生き方が問われていきました。
ストーリーが展開していくごとに主要なキャラクターであってもどんどん死んでしまうのが鬼滅の刃の特徴です。
その取り返しのつかなさや喪失感、いのちのはかなさに心揺さぶられることも多かったのではないでしょうか?
自分の好きなキャラクターが亡くなった時なんてもう・・・私は長男だから我慢できたけど、次男だったら我慢できませんでした!
そのように登場人物の人生や想いに重ねて、いろんな感情を味わっていくところに鬼滅の刃のおもしろさがあるのでしょう。
その心の中にモヤモヤするものを読み解き、言語化してくれる本がこちらの『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-です。
『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-とは
『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-は、鬼滅の刃のストーリーを読み解きながら、仏教の基本的な教えや言葉・概念が楽しく学べる一冊です。
本のタイトルの頭には『鬼滅の刃』と入っているので
という印象を持つかもしれません。
もちろんストーリーや作中の表現からいろいろな考察をされていますが、ただ読み解くだけではなく全体を通して「仏教を学ぶ」というところに主眼がおかれています。
「鬼滅の刃」の登場人物やその関係性、時代考証、背景を深く読み込んでいくことで、ストーリーの根底に流れている仏教的感性や表現を独自の解釈で解き明かしてくれています。
しかも、それが強引なこじつけではなく、この本を読んでからもう一度原作を読むと、
なるほど、たしかにそう読める・・・!
鬼滅の刃は仏教説話だったのか・・・深い・・・!
と新たな読み方や視点を得られ、鬼滅の刃をより深く楽しめるようになる一冊です。
本を読む前に知っておきたいこと
『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-を読む時に大事なことをお伝えしておきます。
それはまず原作の「鬼滅の刃」を読んでから手に取ること。
「Amaonプライムビデオ」などアニメ版でもいいのでストーリーやキャラクターのことを知ってから読むことをオススメします。
というか、読んでない場合は書籍の中にでてくるストーリーの意味が理解できません。
オススメの読書の流れは以下の通り。
- 原作を読む
- 『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-を読む
- もう一度、原作を読む
『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教-を読めば、それまでと違った視点で原作を読むことができるようになり、新たな発見が得られるのではないでしょうか。
著者の松崎さんってどんなお坊さん?
この本を書かれたのは福岡県の浄土真宗本願寺派の僧侶である松崎智海師(@matsuzakichikai)。
数々の名ツイートで世の中をわかせてきたTwitterで布教する僧侶としてご存知の方もおられるでしょう。
お盆ですね。お焼香をする機会もあると思いますので言っておきます。
— 松崎智海(非売品僧侶)@『「鬼滅の刃」で学ぶ はじめての仏教』5/22発売予定 (@matsuzakichikai) July 19, 2017
浄土真宗のお焼香は
「額におしいただかず1回です」
もう一度言います
浄土真宗のお焼香は
「額におしいただかず1回です」
大事なことなので二回言いました pic.twitter.com/d8EoAOMQEi
映画観にいってきた pic.twitter.com/hjSwNGU0Y8
— 松崎智海(非売品僧侶)@『「鬼滅の刃」で学ぶ はじめての仏教』5/22発売予定 (@matsuzakichikai) November 24, 2018
しかも、ただおもしろいだけじゃなくそのあとのリプライでは仏教的内容が展開されていきます。
社会的関心とお寺や仏教の間をユーモアという架け橋でつなぐことに関して、特筆すべきセンスを持った方ですね。
プロが見たらプロの仕事の奥深さがわかる
同業者同士や、プロ同士であれば、作品をみるだけで
「あ、この人わかってるな」
とその作品の背景や作者の奥深い理解が伝わることがあります。
例えば、音楽だったら「このコード進行でこの音を使っているのは音楽をよくわかっている」とか、プログラムなら「こんなコードの書き方をしているのはわかってるな」みたいなことがありますよね。
前提となる知識があれば、作品の中からより多くの情報を引き出すことができるようになります。
その点で、鬼滅の刃には仏教的思想の理解や知識がないとこの表現はできないぞ、と思えるシーンがたくさんでてきます。
そこを松崎さんが噛み砕いて、詳しくやさしく仏教的解説をしてくださっています。
鬼滅の刃に隠された仏教的表現が、多くの方が共通してもっている仏教的感性に知らずしらず響いたことも、鬼滅の刃が大ヒットした理由のひとつなのかもしれません。
個人的には悲鳴嶼行冥の羽織に書かれた南無阿弥陀佛の「陀」の字が「侘」になっている理由の読み解きと考察にはほんとに感心しました。
仏教を楽しく学ぶ入り口のひとつとして最適の1冊
書籍の中では仏教の基本的な考え方や、知っておきたい基本の用語の意味がわかりやすく解説されています。
仏教書をいきなり手にとって用語を学ぶのはなかなかハードルが高いことですが、鬼滅の刃のストーリーを知っているうえでこの本の解説を読めば言葉のイメージがすんなり理解できますよ。
書籍にかかれている内容の一部は松崎さんのYoutubeでも解説されていますので、ご覧いただくとよくわかると思います。
『鬼滅の刃』で学ぶ-はじめての仏教:まとめ
私も鬼滅の刃を読んだ時に「これはとても仏教的な話だなぁ」とぼんやり感じるものはありましたが、ここまで見事に物語の構造を分解して、なおかつ仏教的内容をぶらさず細やかに説明されているのはすばらしいと思いました。
鬼滅の刃原作にもリスペクトがあり、そして仏教的内容も砕きすぎず、両方にバランスのとれた良書です。
日本一カジュアルな仏教入門書!というキャッチコピーのとおり、あっという間に読めてしまいました。
鬼たちへの同情や共感、鬼殺隊の苦悩、先祖を敬ったり、家族やつながりを大事に思ったり、生き方を考えたり。
鬼滅の刃を読んで心の揺れ動きを感じたなら、その気持ちを入り口に仏教の世界に一歩歩んでみませんか?
鬼滅の刃の世界にハマったなら、その世界をより深く味わうためにもぜひ手にとってもらいたい一冊です。
鬼滅の刃のストーリー考察本なのかな?