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讃岐の妙好人庄松同行の絵本「しょうまさん」発刊

執筆者:片岡妙晶

2020年、妙好人「庄松同行(谷口庄松)」の150回忌が勤められた。

コロナ禍により大きな催しはできなかったそうだが、庄松同行という人について改めて知る大きなキッカケとなった。

本では読んだり聴いたりしたことはあったが、実際に庄松同行が過ごした地に住み、存在を繋いで来た方々の心を通して聞く言葉は質が違った。

物質文化や社会的な功績を残したわけでもない人間の小話が100年以上も受け継がれ、今でもお墓へ毎日花が備えられていることには感動を覚えた。

「こんな在り方が実現できるんだ」

と、人生の希望を見せられた気分だった。

気付くと、「しょうまさん」の話を作り始めていた。

絵本しょうまさん表紙

Amazonでしょうまさんを見てみる

庄松同行の世界観、物事の捉え方やそれを語る人々に魅せられ、動かされたのだ。

そんな風に動いていると、ビデオや音源、関連本などの資料や情報が私の手元へ集まってくるようになった。

それらの作品からは、先人方の庄松同行に対する想い、同行を通して手を取り合う姿が見て取れた。

庄松同行100回忌の際に作られたという曲の歌詞に、こんなものがある。

朝の勤行 すませたら

お寺の木かげで 子供らと

仲よく遊んだ 庄松さん

思えば悩みも あゝ消えてゆく

何気無い日常を歌ったようにも聞こえるが、よくよく聞いてみると、これは往生後の話である。

そこに同行は居ない。

が、居たことを「想う」ことの有難さがここでは歌われているのだ。

これを聞いたとき、庄松同行が残した遺功は、本人が作り上げた数々の逸話だけでなく、それを「語らせる心」「共有できるよろこび」を遺したところにあったのだと目から鱗が落ちた。

そして、それはまさに僧侶の目指す姿でもあるのかも知れないなぁ…と。

絵本「しょうまさん」

現代に残されている庄松同行作品は、ほとんどが大人の姿で描かれている。

しかし、私は初めて庄松同行の話を聞いたとき「一休さんみたいだ」と思った。

皮肉混じりの言行ながら、どこか憎みきれない愛嬌を含んだ姿に魅力を感じ、その成り立ちを描きたくなった。

なので、この物語は庄松同行の幼少期よりはじまる。

絵本しょうまさん1

貧しい家庭事情から勉学の機会を逃し、劣等感を抱えていた日々。

絵本しょうまさん2

そこに差し伸べられた、仏法の手。

仏の救いは、勉強ができるようになることでも、財に恵まれることでも無い。

ただ「安心を得る

そんな心持ちを頂くことから、庄松同行の妙好人としての逸話は始まってゆく。

絵本しょうまさん3

命尽きる最後まで、庄松同行は文字を読むことも数を数えることもできなかった。

御門主様に認められ、全国に妙好人として招かれるようになっても、常にボロの着物を纏い、豪奢な生活はしなかった。

家庭も作らず生涯独り身を貫き、現代における「豊かさ」とは無縁だったと言っても良いだろう。

しかし、「ボロは着てても心は錦」のしょうまさん。

『想えば心に華が咲く』

仏に救われた庄松同行の存在が、また誰かを救ってゆく

物質的に恵まれた現代で、それでもまだ何かを求めてしまう私達にこそ庄松同行の生き様は響くかも知れない。

そして、『先人を想いよろこぶ』という誰もが授かれる幸せを後世へ繋いでいきたい。

皆がしょうまさんのように、想い想われる人と成れますように

この絵本が、その一助となれば嬉しいです。

Amazonおよび絵本販売サイトYOMOでお買い求めいただけます。

コラム執筆者

片岡妙晶師

香川県在住の真宗興正派僧侶。
若者視点から見た、専門用語によらないシンプルでわかりやすい語り口が特徴です。異業種との交流も広く、多視点から見た現代社会に活きる仏法を得意としています。

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